生まれたぁ!
取り出した瞬間、お子が泣いた。どこかに連れていかれて遠くで泣き声がまたした。しばらくすると保育器にいれられて、隣にやってきた。顔はあんまり見られなかったけど、真っ赤な小さい人に手を伸ばしてちょびっとだけおててに触れられた。
保育器に入れられたその子は、もう泣いていなかったので、そういうものなのか?それとも大丈夫じゃないのかわからず、「元気ですか?」と聞くと、「治療は必要です」と返ってきた。
ああ、なんかよく聞くやつだ。そう思ってその後、母体が大変だったので正直それどころじゃなかったけど、苦しいのか、感動したのか、なんなのかわからないけど、苦しいです、と言いながらつーっと涙が勝手に出てきていた。
産婦人科の執刀医からも、腫瘤みた?と聞かれてみてないと答えると、「なんかあったよ、私も良くは見なかったけど」と。「やはりありましたか」と意識朦朧の中会話した。
手術ももしかしたらする必要がないかもしれない、腫瘤がないかもしれないという言葉もあったので、一抹の期待は、儚く散った。受け入れてはいたので、ショックを受けるまでもいかないが、人はどうしても少しの期待にすがりたくなるものだ。
その後、夫から送られてきた写真も、すぐには開けないようなボロボロな身体だったけど、写真越しに見た我が子は可愛くて仕方がなかった。背中にはガーゼがしてあり、手が固定され、呼吸器をつけてうつ伏せになっている赤い赤い小さな身体で頑張ってる息子。かわいいなぁ。髪の毛ふさふさでちょっと茶髪。むちむちしてる。
今日があなたの誕生日、パパとママの大切な息子。生まれてきてくれて、ありがとう。
まだあまり実感のないパパママだけど、これから楽しいこといっぱいしようね。
明日はしっかりお顔が見れるかな?
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